200年の時を経て、土地と時代と、人と生きる久留米絣。
糸が織りなす“ずれ”や“にじみ”の柄模様。
福岡県南部筑後地域で作られる、日本人の感性が生んだ布。
創製から200年の時を経て、今も私たちの生活を彩る伝統の布『久留米絣』。
本書では久留米絣の歴史、製作技術を細かく、
かつ分かりやすく解説しその魅力に迫ります。
ファッション性の高いモデル写真も多数掲載しており、
学術的な面だけでなくビジュアルも楽しめる1冊。
綿織物ならではの豊かな風合い、先染めの緻密な柄模様、
神秘的な藍染めと時代に呼応するカラフルな色彩。
経済産業大臣指定伝統工芸品、久留米絣唯一の解説本です。
コンテンツ
はじめに
人と風土が織りなす、庶民の芸術。始まりは少女のひらめき
第一章 久留米絣のはじまり
30工程、3ヶ月。完成までに関わる様々な職人たち
第二章 久留米絣ができるまで
- 工程 何百本もの繊細な糸が柄を成していく。切れないよう、絡まないように人の手を介しながら
- 図案 一筆一筆ていねいに、職人の手から描き出される柄
- 括り 糸が、色と白の絣糸に変わる。柄模様を表す括り
- 染色 日常に彩りを与える、日本人の繊細な色彩感覚
- 藍染め 変幻自在に染め分けられた、何通りもの青
- 化学染色 今に呼応する、新たな時代の色
- 挿色 つぼみ、花びら、葉の緑色
- 脱色染色 職人技が光るひと手間。生地面に奥行きを出す魔法
- 織り 手織りでも、機械織りでも。失われることのない木綿の風合い
- 紡績 産地を支える心意気。糸のスペシャリストが目指すものとは
幾何学模様から吉祥文様、草花から宇宙まで。時代を反映する色柄の楽しみ
第三章 久留米絣の柄
- 具象柄 草花などを写実風、または抽象的にデザインした柄模様
- 抽象柄 丸、三角、四角にはじまり、十字や亀甲、井桁文様
- 文人織 文豪たちの愛した、慎しみ深い小絣の魅力
- 道具 織物の町の、昔ながらの道具屋さん
機と共に歩む人生、家族たちの物語
第四章 たずさわる人々
バトンタッチを繰り返し、技術を繋げていく
第五章 機屋さんたち
今を生きる久留米絣。そして、未来へ
第六章 これからの久留米絣
オカモト商店 産地を守る使命。
これから先の、200年の礎になるために
◎発行/2013年2月18日
◎発売/F_d books
◎サイズ/A5版・128ページ
◎定価/1,800円(税別)
ISBN978-4-904342-09-1
※上記のコードで書店でもご注文いただけます。